名字は家系や格を区別するもの

表札の歴史

表札は元々商標を出すための看板であった

表札は名字を表記するものですが、家の外に表札が出ている風景というのは、意外にも歴史的に浅い光景です。
名字は元々公家・武家など本人が属する家系や格を区別するために用いられていた。
起源は833年に発令された令義解によって、市で商標を出すよう義務付けられたことに始まり、店舗家屋に掲示を行う習慣が後に安土桃山時代から江戸時代にかけて様々な意匠を持つ看板として定着しました。
しかし個人が表札を掛ける事は無く、商売をしている方が看板を出すくらいで、「家に名前を表記する」という文化として表札が生まれる下敷になったと言われています。

というのも、日本の庶民が一般的に苗字を名乗るようになったのは、法律によって義務化された明治以降でした。
明治3年(1870年)9月19日の平民苗字許可令、により姓の呼称が一般に許可され、
明治8年(1875年)2月13日の平民苗字必称義務令により、国民はみな公的に名字を持つこととなりました。
庶民の表札が広まり始めたのは、戦争に徴兵された兵士の家に家族の中から兵士に行ったものがいた場合には、皇軍兵士を送った家として、
兵士の名前を書いた張り紙をしていたことから、表札が普及し風習が広まりました。
それを習って表札が少し増えたようです。

一般庶民が表札を掲げ始めたのは、大正12年9月の関東大震災以後と言われています。
住民は転居をしたり家を建て直す事を余儀なくされ、転居した先や建て直した家に誰が住んでいるのかを明確にする為に
ほとんどの人は表札を掛ける様になり、首都圏を中心に瞬く間に広がり、民間でも表札を掲げる習慣が当たり前のものとして浸透しました。
関東大震災での住宅の建て直しの際に住宅に表札は表記するようになったと考えられております。

庶民の表札は、明治中頃に郵便配達で配達先が分かるようにと少し増え、家族全員の名前を記した表札が普及しました。
こういった全員の名前が書かれている表札を通常、「家族表札」と呼ばれています。
現在では防犯面で氏名が載るは良くないので、家族表札は減りました。